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>WRITER
あれから4日が経ち既に週末になっていた。
明後日からテストが始まる。
生徒達は記録されたデータを貰ってコピーしたりしていた。
休んだ者などがいるので教師としてもコピーを許可せざるを得なかった。
過去にケンスケがミサトのパソコンにハッキングしたこともあるが、保険医の赤木リツコが発見し大事には至らなかった。

そして、今日も碇家のリビングでは勉強会が行われていた。
机の上には3つのコップが並んでいる。
シンジは左右から美少女に挟まれてテスト勉強をしているという第3者から見れば非常にうらやましい状況だったが、彼には現実逃避したい気持ちしかなかった。
アスカは既にドイツで大学を卒業しており、いつもと同様にテスト前に教科書をパラパラとめくって内容を思い出すだけで十分だった。
レイは転校してきたばかりにも関わらず第3新東京市第壱中学の授業に追いつき、追い越していた。
よって、勉強をするのはシンジがメインでレイは自ら次々に教科をすすめ。アスカはシンジに教えながら覚えているだけだった。

「じゃあ、次は数学ね」
そう言ってアスカが数学の教科書を出した。
「………………………………」
シンジは心の中で泣いていた。
「そろそろ休憩にしない?」
シンジよりかなり先に進んでいたレイが休憩を促した。
途端にシンジの口から息が漏れる。
その溜め息を聞いてかあるいは自分も疲れてきたのかどうかは判らないが
「そうね、休憩しながらやった方が覚えも早いし少し休憩しましょ」
と、アスカも同意した。


>SHINJI
あの壁が壊れた日。
父さん達が帰ってきてこう言った。
「アスカくんとの交換条件で来週からのテストは80点以上を取ってもらう。でなければ小遣いはなしだ」
「……えっ」
突然の台詞にぼくは混乱する。
アスカを見ると彼女はわずかに目をそらす。
アニメだったらアスカのほほに冷や汗が流れていただろう。




第参話 それぞれの思惑




麦茶を一口飲みながらぼくは思った。
よりによって80点か……
これまでの成績から考えると不可能に等しい。
しかも減るのではなく、まったくなし……

>WRITER
「は〜」
嫌なことを思い出し再びシンジの口から溜め息が漏れる。
その様子を見てアスカは後先考えずに行動してしまったことを少し後悔し始めていた。
シンジを見るたびに億劫になり口数が減っていく。
レイは思った。
……まるで受験に失敗した2人ね
しばらくの休憩の後、3人はそれでも目的の為に黙々とシンジの頭の中に授業で習った知識を埋め込んでいった。


>SHINJI
今日からテストか……
頭が重い。
勉強なんて嫌いだ……
父さんも嫌いだ……
小遣い貰えなかったら、当然父の日のプレゼントもやるもんか
「バカシンジ!!」
ビクッ
「なにぼさっとしてるのよ」
「あっ、ごめん」
「またそうやって条件反射的にあやまる」
「早く学校に行って復習するわよ」
「う、うん」

>WRITER
授業には旧世紀の末期に使われていたノートパソコン状のパソコンが使われる。
2015年現在、パソコンの性能にユーザーの方が追いつかなくなりあまり高性能のパソコンを使っても一般ソフトのスピードはあまり変わらなくなっていた。
教材としても使われているがソフト性能が高いと逆に学習の役にたたないため、機能を限定し個々の授業に必要な点意外は使用不可能なようにコントロールされていた。
たとえば数学では数値の入力ができても計算機能はない。
テストにも利用され、かつての様に配るスピードにも差が出ないうえ、時間前に不正をすることも無理だった。
そのうえ、問題が1問ずつ表示されるためカンニングも難しくなり、おまけにカメラで監視されている。

最初のテストの時間も終わりに差し掛かった時。
シンジはまだすべての問題を終えてはいなかった。
レイはすべての問題を終え答えあわせをしているようだ。
トウジは……まだ半分しかできていなかった。
アスカは指先でシャーペンを回していた。
終了のチャイムが鳴り響く。
やっと1つ目のテストが終わりを告げる。
緊張した空間も一時的に開放されざわめきを取り戻す。
テスト用紙が集められると次のテストの勉強をしたり、先ほどのテストの話が始まる。
シンジの元にもトウジがやってきてそんな会話が始まった。

>SHINJI
「どないやった?」
「あっ、うん。まあまあかな」
ぼくは曖昧な返事をした。
「俺は、いつも通りかな」
そんなふうに言うケンスケだけど実は頭が良い。
教科によって偏りはあるけどケンスケだったらぼくの目標の点数も超せるはずだ。
「わいもいつも通り半分くらいや」
そんな事をいいながら笑顔を見せるトウジを見ているとほとんど書けたとは言えるはずもない。
「ちょっとアンタたち、終わったテストの話なんてしてないで次のテストの勉強を始めたら?」
「う、うん」
テストの寸前の休み時間は点数に影響しやすいからアスカの一言を切っ掛けにぼくはすぐに勉強を始めた。
「なんや、センセイえらいまじめやな〜」
トウジ達には80点以上とらないと小遣いが貰えないことを話してはいない。
知ったところでトウジ達が妨害工作に出るのは火を見るより明らかだからだ。


>WRITER
なんだかんだで最後のテスト。
しかも、残り時間僅かになった。

>SHINJI
問98 作者は手を抜いてるか?

えーっと、丸かな。
まあ、馬鹿なうえに文系じゃないということあるんだろうけど

問99 セカンドインパクトによって破壊されたビルを教訓に新しく作られたビル群に使用されている耐震システムは何か?

えーっと、何だっけ……
確か……絶対……精神……
じゃなくて絶対制震だ。
確かうちのマンションにも使われている。

キーンコーンカーンコーン……

あっ、チャイムだ。
画面がブラックアウトする。
あと1問だったというくやしい気持ちもあるけれど、テストを終えた開放感がそれを上回っている。

>WRITER
この後、1分間の休憩を挟んですぐに5教科すべてのテストが返される。
テストは第7世代の有機コンピュータに個人の人格を移植して思考させるシステム、人格移植OSによって速やかに計算され、結果が出力される。
この時間帯は間が短いうえ返却前の緊張感もあいまってか席を立つものはいない。
やがてその沈黙をやぶる様にディスプレイに成績が表示された。

>SHINJI
71、82、64、70、87……
やっぱり小遣いはなしか……
それでもいつもと比べると良い成績にぼくはいくらか満足していた。
「レイは何点だった?」
そう言いとなりに目を向ける。
「5教科で499点だよ」
………………………………
「じゃあ2位ね」
そう言いながらアスカがレイの後ろから声をかける。
つまり、アスカはまた1位か、別次元の会話だね。
「ううん、3位になってるよ」
「じゃあもう一人500点の人がいるってこと!」
ぼくは驚いた。
テストの難易度はアスカが上げる為にどの教科でも1問は難しく作ってある……らしい。
でも、アスカは常に満点をとっていて他に500点を取った生徒はいなかった。
レイの499点でも驚きなのに、その上がいるなんて誰だろう?
そんなことを考えていたらミサト先生がやってきた。
いつも笑顔を絶やさないミサト先生だけどなんかいつも以上ににこにこしている。
ミサト先生は教卓に立って言った。
「みんな、よくやったわ。うちのクラスが学年トップよ!」
その言葉を聞きざわめきが起こる。
「しかも3位まで独占!」
独占ってことは500点を取った人がクラスの中にいるってことだよな。
「3位は499点で綾波レイさん」
おお〜と周囲から感嘆の声がもれる。
1位の片方がアスカだということはみんなが思っていることだろう。
問題はもう一人だ。
思い付くのは委員長だけなんだけどみんなの視線が集まる中、首を振っているところを見ると違うらしい。
次の台詞を待つように先生に目を向ける。
「1位は、アスカさんと渚カヲルくんでした〜」
この日一番のどよめきは学校中に響き渡ったらしい……



つづく


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